脱水は、体内の水分・電解質が不足した状態です。軽度であれば水分補給で回復しますが、重度になると意識障害や臓器障害を引き起こすこともあります。救急外来でも特に夏場や胃腸炎シーズンに多く見られます。
この記事では救急科専門医の立場から、脱水の症状・応急処置・病院に行くべきサインをわかりやすく解説します。
脱水の原因
- 水分摂取不足:高齢者・乳幼児・認知症患者に多い
- 嘔吐・下痢:胃腸炎による急性脱水
- 発熱・発汗:感染症、熱中症
- 多尿:糖尿病のコントロール不良
脱水症状の見分け方
軽度〜中等度
- 口・唇の渇き
- 尿量の減少・尿の色が濃い(濃い黄色)
- 頭痛・倦怠感・集中力低下
- 立ちくらみ(起立性低血圧)
重度
- 皮膚のハリ低下(つまんで戻りが遅い)
- 眼球のくぼみ(乳幼児では大泉門の陥没)
- 意識混濁・ぐったり感
- 尿がほぼ出ない(無尿)
応急処置:水分補給の正しい方法
経口補水液が最も効果的
水だけでなく電解質(ナトリウム・カリウム)も一緒に補う必要があります。OS-1などの経口補水液が最も適しています。スポーツドリンクは糖分が多いため、大量摂取には向きません。
飲み方のポイント
- 一度に大量に飲むと嘔吐しやすいため、少量ずつこまめに飲む
- 嘔吐・下痢が続いている場合は5〜10分おきにスプーン1〜2杯から始める
- 乳幼児・高齢者は特に注意が必要
病院に行くべきタイミング
以下に当てはまる場合は速やかに受診してください。
- 意識がおかしい・ぐったりして反応が鈍い
- 6時間以上尿が出ていない
- 嘔吐・下痢が激しく、水分が全く摂れない
- 乳幼児で大泉門が陥没している・泣き声が弱い
- 高齢者でどんどん状態が悪化している
- 心疾患・腎疾患など基礎疾患がある
脱水を予防するために
- のどが渇く前にこまめに水分を摂る(目安:1日1.5〜2L)
- 高齢者・乳幼児には積極的に水分を勧める
- 下痢・嘔吐があるときは経口補水液を常備しておく
- 暑い時期や発熱時は特に意識的に摂取する
📚 参考文献・情報源
- 厚生労働省「脱水症・熱中症対策」
- 日本救急医学会「経口補水療法の手引き」
※本記事は上記ガイドライン・公的機関の情報をもとに救急科専門医が執筆しています。
まとめ
脱水は日常的に起こりやすいですが、重症化すると命に関わる状態になります。「いつもと様子が違う」「水分が全く摂れない」と感じたら早めに医療機関を受診してください。特に乳幼児・高齢者は重症化しやすいため注意が必要です。

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